インドのカースト制度について

インドのカースト制度について。

インド社会には、司祭階級の「バラモン」、その下に王族、武士階級の「クシャトリア」、農民や商人等の庶民階級の「バイシャ」、奴隷階級の「シュードラ」の4段階の身分階級があり、その中にさらにジャーティと呼ばれる職業別の身分差別があります。基本的に子供は親の仕事を世襲しなくてはならず、自分で職業を選ぶことができないといわれています。現在、インドの憲法で不可触民の差別、カースト全体の差別の禁止が明記されているけれど、やはり結婚や職業の選択時にとても影響があるらしいです。

私はたった8日間インドに滞在しましたが、それでも時々カースト制度について考えさせられることがありました。

例えば、インド人は初対面で名前を聞いた後に必ず職業を聞いてきます。そういう時私は「ホームページを作ったり、記事を書いたりしてる」と答えていたのですが、するとインド人は「Nice!」と言ってやたら当たりが良くなるのです。最初、何も分からず「ふふっ、そう?」といい気になっていましたが、実はそれは「やっていること」についてNiceと言っている訳ではなく、「IT系の職業に就ける(社会的な)身分」についてNiceと言っていることに、途中で気が付きました。

インド人は、相手の位を判断すると、それ相応の態度で接してきます。私のような外国人相手だとそれほど顕著に出してくることはありませんが(というか、私が身分の高い人だと勘違いされていたからかも)、インド人同士だとそれが非常にあからさまだったりします。

ムンバイで友達になった私の“飲み仲間”は、私のような外国人相手にお酒をおごれるだけあって、そこそこ金持ち連中でした。しかし、その彼らの中にもさらに微妙な区別がありました。

例えば、最後の日に私をレストランに連れて行ってくれてご飯をおごってくれた19歳の男の子に、「いろいろ良くしてくれてありがとう。日本に帰ったらメールするから、あんたのアドレス教えてよ」と言って紙とペンを渡したら、なんと紙とペンをそのまま隣の連れの子に渡すのです。「違う、違う。彼のアドレスではなく、あんたのアドレスが欲しいっちゅーの」と言ったら、「今、彼が僕のアドレスを書くから、待ってね」と。

「オイオイ、お前のアドレスだろ?自分で書けよ」と思ってしまいました。

いろんな文献を読む限り、カースト制度は(インドの社会にとって)悪い面ばかりではないとは思うんだけど、それはそれで置いといて、一人の若者の自尊心を人格的に何の根拠もなくただ肥大させる要因になってしまっているのはどうかなぁ、と思ってしまいました。

(友達だからフォローするけど、この子は人の気持ちを察して言葉をかけることができる優しい子です。身分で持ち上げられてしまう環境が悪いのです)

CONVERSATION

0 comments:

Post a Comment

Back
to top