Woodstock '99 <宴の後>

朝、人の足音で目が覚めました。時計を見ると午前7時。私たち3人が乗るNYC Belmont Park行きのバスは午前10時出発なのでまだまだ時間はあるものの、ヒューストンなど遠くへ向かうバスはもうこの時間から次々と乗客を乗せて出発していました。

目が覚めても頭が回らず(多分、間接喫煙のマリファナのせい)、30分ぐらいぼぉーとしていると、陽はどんどん登り、なおかつ自分たちのいる場所は滑走路の上のため、だんだん暑くなってきました。「ここにいても暑いだけだし、出発待ちのバスにでも乗せてもらおうか」と、3人NY行きのバスを探すため歩き出しました。

昨夜の暴動で疲れ切ってまだ寝ている観客があちこちにいました。破壊された会場の中を歩いている人もいました。みんな顔も髪も体も砂だらけで、痛々しいほど日焼けしています。「みんな、ヒドイ格好してるね」とダニエルに言ったら「自分だってそうじゃん」と言われました。鏡を見てみたらその通りでした。

NY行きのバスは見つけたもののすぐには乗せてもらえず、結局出発の時間寸前にやっと乗せてもらえました。行きのバスはみんな歌を歌ったり騒いだりしていたのに、帰りのバスは5分で全員爆睡。途中で一度トイレ&食事休憩を取り、バスに乗ったら再度爆睡。次に目が覚めたら、NYCに到着していました。

バスを降り、ダニエルとクリスに「4日間楽しかった、ありがとう。んじゃ、これで」と言って去ろうとしたら、ダニエルに「帰りの飛行機は何時?」と聞かれました。「夜8時」と答えたら、「クリスの父さんが3人分の食事を用意して待ってるから、今からクリスの家に行こう。そんな汚い格好で飛行機乗るのもヤでしょ?風呂に入っていくといいよ」と言われました。確かにそのまま飛行機に乗ったら、隣の席の人が嫌な顔をしそうなほど汚いです。好意に甘え、クリスの家に行くことにしました。

午後4時、クリスの家に到着。クリスの家に入った瞬間、食べ物のすごくいい匂いがしました。「久しぶりに人間の食べ物の匂いを嗅いだよね」と3人で笑ってたら、奥からクリスの父さんが出てきました。

クリスの父さん、クリント・イーストウッドにそっくり。(むしろ、クリント・イーストウッドよりカッコイイ!)「この素敵なダディに、なぜこの息子?!(←失礼な!でも親子似てない)」とビックリしました。

クリスの家でご飯を食べて、風呂借り、TVを観て過ごしました。そうしてるうちに飛行機の時間が近づいたのでダニエルに空港まで送ってもらい、搭乗口で4日間のお礼を言って別れました。

バンクーバー行きの飛行機の中で、その日のNEW YORK TIMESを読みました。Woodstockの記事(このログの最初の画像がそれ)を読むと、「ああ、終わってしまったんだな」と、とても寂しい気分になりました。

結局この4日間、一人で楽しむつもりが一日も一人にならず楽しむことになりました。たまたま出会ったダニエルとクリスがまともなRock Kids(Woodstockにいながらドラッグ禁止だった)でラッキーだったこともあるけど、この二人の他にも、会場で隣のテントにいた「69年のWoodstockにも行った」というおっちゃんとか、シャトルバス待ちで並んでいた時に前にいた田舎のメタル好きダサダサ高校生とか、最終日に滑走路へ逃げた先にいたピースフルな人たちとか、みんなとっても仲良くしてくれました。

もしかしたら、いろいろなバンドのライブが観れたことよりも、ロック好きのアメリカ人とキャンプができたことの方が楽しかったかもしれません。いろんな人と音楽についてかなりディープなところまで語り明かすことができました。だから、今回このように暴動が起こり、次回がなくなってしまったことが非常に残念です。もし暴動がなければ、今年、Woodstock '04をやってたかもしれないのに! 夏フェス、大好きです。Woodstockはもうnever againだろうけど、ロラパルーザは復活しないのかなぁ。じぇったい行くのに!


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