年越し

今日は、2011年の大晦日。
今年もいろいろありましたが、結果としていい年越しを迎えられそうです。

2011年は、「いろいろあったけど最後に福が来た」年でした。私が日本からバンクーバーに帰ってきてすぐに彼氏が働いていたコンピュータショップが倒産したことをこのブログに書きましたが、今回のエントリはその後の顛末について。

コンピュータショップが倒産し、事後処理が終わって落ち着いた頃、元同僚のAさん(台湾人)が、彼氏ともう一人の同僚のBさん(同じく台湾人)に、「僕たち三人で、新しいビジネス(コンピュータ修理専門のお店)を始めよう」と誘ってきました。

彼氏もBさんも、「ショップ経営の経験豊富なAさんが始めるビジネスなら、きっと成功するだろう。ぜひ!」とOKし、手始めにまずは空き店舗を探し始めました。Bさんは当面の生活費が必要だったので他の会社でバイトを始め、Aさんと彼氏で集客が見込めそうなロケーションで空き店舗を見つけては不動産屋に問い合わせをしました。しかし、家賃や契約条件が合わず、なかなか場所を見つけることができませんでした。

コンピュータショップが倒産してから5ヶ月後、やっと条件に合う空き店舗が見つかりました。Aさんと彼氏は5ヶ月ぶりにBさんに連絡を取り、「さあ、やっと僕らのビジネスを始められるよ!」と伝えたところ、Bさんに「僕、近々彼女と結婚するんだけど、新居を買って今お金が無いから、ビジネスから抜けるよ」と言われてしまいました。(さすがに5ヶ月の待ち期間は長過ぎたのだと思います)

ビジネスは3人の共同出資で始める予定で、一人抜けると開業資金が足りなくなり、ビジネスを始めることができません。そこで、彼氏は友達のCさんに声を掛けました。Cさんは数年前に投資移民としてカナダに移民した人で、これまで一度もカナダの会社で働いたことがない(カナダ社会に関ったことがない)ため、「ぜひビジネスに加わらせてほしい」ということでした。

店舗の賃貸名義をAさんとCさんと彼氏の3人にし、契約書を作っている途中に、突然、Aさんが「親戚の用事のため」に台湾に帰国しました。最初は「1、2週間でバンクーバーに戻るよ」と言っていたのですがなかなか戻って来ず、それから2ヶ月経ち、あとは賃貸契約書にサインをしたらすぐビジネスを始められるという状態になってもAさんはバンクーバーに戻って来ませんでした。彼氏があの手この手を使って台湾にいるAさんを捕まえ、連絡を取ったところ、「いつバンクーバーに戻れるか分からないから、僕、ビジネスから抜けるよ」と言われました。

そこで彼氏はAさんの代わりに旧友のDさんに声を掛けました。Dさんはビジネスに興味を持ってくれ、「ぜひビジネスに加わらせてほしい」ということでした。しかし、Dさんは後から加わったため何もかも彼氏に任せきりで、もう一人のCさんは元々投資家なのでビジネスに詳しくなく、賃貸契約、会社登記などのために彼氏は毎日たった一人で駆け回っていました。それを見ていた私は、ある日、彼氏に「一番頼りになっていたAさんが抜け、CさんDさんはまともに協力してくれない状態で会社を興して、本当にやっていけると思う?」と聞きました。

彼氏は、「でも、ビジネスを始めるのをやめてしまったら、今まで準備してきたことが何もかも全部無駄になってしまう」と言います。私は、「ビジネスを始める準備をしているのは、あなた一人だけじゃん。CさんとDさんは何もしてないじゃん。現にCさんは『今日会ってビジネスの話がしたい』と伝えていたのにもかかわらずスノボに行ってしまって連絡取れないし。こんな状態で新しいビジネスを始めてもうまくいくとは思えない」と言ったら、彼氏は「ちょっと考えてみる」と言い、コンピュータの前で頬杖をついて、結構長い間考え込んでいました。

そして、その日の夜、彼氏が「ビジネス始めるのをやめる」と言いました。CさんとDさんにそれを伝えたら「えぇっ、そんなこと言わないで、計画通りに僕らでビジネス始めようよ!」と引き止められたらしいのですが、それを振り払って、「僕は自分の専門分野が活かせる(他の)会社に就職する」と伝えたそうです。

その時点でコンピュータショップが倒産してから7ヶ月が経っていました。失業保険(EI)の支給期間はまだ5ヶ月あるけど、今まで新しいビジネスの準備のために一切就職活動をしてこなかったため「時間を無駄にしてしまった」という気負いがあったのか、就職すると決めたその日からすごい勢いで就活を始めました。

就活を始めてから1ヶ月経ち、50社ほどエントリしたものの一社さえもインタビュー(就職面接)にこぎつけられず、「就職するのって大変だなぁ」と気落ちしていたある日、バンクーバーのVFX会社のリクルーターから彼氏の元に一通のメールが届きました。

メールの内容は「携帯番号を教えて(Give me your cell phone number, please.)」という一文のみ。
彼氏が携帯番号をメールで送ったら、すぐにリクルーターから電話がかかってきました。

そのリクルーターは、彼氏が8年前に通っていた学校の先生だった人でした。「レジメを見てまさかとは思ったけど、君じゃないか!久しぶり。今まで何してた?面接、セッティングするよ」と言ってもらえました。

次の週、就職面接がありました。面接官は、リクルーターと応募したポジションのボスと会社のdirectorの3人でした。これまでの彼氏の職歴を確認し、応募条件(20項目ほど)のどれが得意でどれが苦手かを確認し、「こういう状況で、あなたはどんな行動をしますか?(例:3人の人が同時にあなたに仕事の依頼したとします。その場合、あなたはどうしますか?)」という趣旨の質問をたくさん聞かれました。面接にかかった時間は約1時間半。他にも応募者がいたため、雇うか雇わないかは次週金曜に連絡するとのことでした。

そして、次週金曜、リクルーターから「希望年収を教えてください」とメールが来ました。彼氏は、ゲーム制作会社の年収を伝え、それよりは少し少なめの希望年収を提示しました。

(その日の夜、彼氏のレジメのReference(推薦者)に載せた人全員の元に、「この人(彼氏)の仕事の評価を、正直に教えてほしい」というメールが届いたそうです。推薦者の一人はリクルーターに、「(彼氏は)仕事に対して責任感があるし、これまでプロジェクトの中で発生した技術的な問題を次々と解決してきたスペシャリストだ。ひとつ彼の欠点を言うなら英語力の問題があるけど、You may do not understand what he says, but he clearly understand what you say. So, don't worry.」と返事したそうです(その人曰く、「推薦文はね、褒めてばかりだと真実味がなくなってしまうから、少しネガティブな要素を加えた方がいいんだよ」なのだそうです)。

そして、彼氏はその会社から仕事のオファーをもらい、今月から働き始めています。就職した会社は、独自の社内システムを持っており、(ゲーム制作会社とは比べ物にならないほど)膨大なデータ量を管理しなくてはいけないため、新しく学ばなければいけないことが多くて大変みたいですが、職場の人は皆いい人で仕事をしっかり教えてくれるため、結構楽しく働いているようです。

そして今は、クリスマス&年末年始休暇中。仕事初めは1月3日。今まで大変だったから、彼氏には仕事が始まるまで思う存分、家でゴロゴロさせてあげたいと思っています。

仕事先が突然倒産したり、新しいビジネスが頓挫したりといろいろあったけど、最終的にそれらの挫折が今の会社に就職できたという「結果」に繋がったと思います。その過程で相方は悩んだり辛い思いをいっぱいしたけど、それが彼氏を(精神的に)タフにし、自身の身の振りにも(以前よりさらに)責任を持つようになったので、全て無駄ではなかったと思っています。

さて来年、2012年。彼氏と私である計画を考え中。
でもそれは、実現できるようになるまでナイショです☆

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