活字中毒患者の記録

「10代の頃に読んでいた雑誌が後の人格形成に大きく影響を与えていると思われる・・・。“自分探し”のため、雑誌遍歴を辿ってみよう!」というプチ企画が、まことしやかに流行っているようです。

ぼんやり上手 「雑誌をめぐる冒険
ARTIFACT 「10代の雑誌遍歴を語る

重症の活字中毒の私としては、雑誌遍歴を辿ってみるのはなかなか面白そうなので、10代と言わずできるところまで詳しく辿ってみたいと思います。

【小学校低学年】
・こぼたち

岐阜県教育委員会が県下の小学生の保護者に配っていた教育雑誌です。内容は「親は、どのように子供に接するべきか」というもの。これを毎月学校でもらって、親に渡さず自分で読んでました。

【小学校中学年】
・週刊少年ジャンプ

2つ年上の兄が買っていたのを読んでいました。当時は、「北斗の拳」「キン肉マン」「Dr.スランプ」「キャッツアイ」「ハイスクール奇面組」「シェイプアップ乱」などが連載していてかなり面白かったです。クラスの男子によく、「コロコロコミックなんてガキの読む雑誌やんか。ジャンプ読んでみ?」と、勧めてました(大きなお世話!)。

【小学校高学年】
・りぼん
・なかよし

いとこのお姉さんの影響で「なかよし」、友人の影響で「りぼん」を読むようになりました。この頃お小遣いは「りぼん」と「なかよし」を買って、残りを推理小説の文庫本につぎ込み、1日で使い切っていました(貯金観念ゼロ~)。

【中学生】
・週刊ヤングマガジン
・週刊ヤングジャンプ

またもや2つ年上の兄が買っていた雑誌です。ヤンマガは「バイクメ~ン」「ハゲしいな桜井君」、ヤンジャンは「AKIRA」「BE FREE」が大好きでした。(女子中学生が、「BE FREE」って・・・(苦笑))

【高校生】
・Seventeen

高校生の頃はあまり雑誌を読まず、寺山、太宰、井伏、芥川などの文学モノと「王家の紋章」にハマってました。雑誌といえば、友人が毎号買っていた「Seventeen」を借りて読んでいた程度。「借りて」というのは、自分で買ってまで読みたいと思わなかったからです。この頃、どうやら自分は女の子チックなものに全く興味がないということに気付き始めました。

【学生~タワーレコード時代】
ロッキングオン(国内)
Cut(国内)
・SPOOKY(国内)
米国音楽(国内)
bounce(フリーペーパー)
People(US)
Interview(US)
SPIN(US)
NME(UK)
・Melody Maker(UK)
Paris Match(FR)

進学してから学校の近くの本屋でバイトを始めます。そこで雑誌の返品入荷担当となり、店長に「店で取り扱っている全ての雑誌に目を通し、内容を把握するように」と命令され、実行します。1年後、タワーレコードに転職、海外雑誌の担当となります。そこでも「取り扱っている全ての雑誌に目を通し~(以下同文)」を実行し、世界各国の雑誌の世界にのめり込んでいきます。

【東京時代】
Dictionary(フリーペーパー)
日経ビジネス(国内)

上京して音楽関係の仕事に就職します。そのため、24時間音楽一辺倒となり、私生活が乱れます。それに深層意識が危機感(?)を感じたのか、ニーチェやサルトルなど哲学に走ります。同時にフィツジェラルド、サリンジャー、カポーティにもハマります。勤務先の社長が読まずに捨てる「日経ビジネス」を拾って読みつつ、「フリーペーパー」という媒体に異常に興味を持ったのもこの頃です。

【カナダワーホリ時代】
・Who(US)
・Us(US)
Big Takeover(US)
Vancouver Tonight(フリーペーパー)
・フレイザー(フリーペーパー)

カナダに引越し、「タワーレコード時代に自分が取り扱っていた雑誌が、普通に店頭に並んでいる!」ことに興奮し、毎日本屋で立ち読みの日々。日本に輸入されていない音楽雑誌を見つけてはコレクションしてウホウホしてました(←雑誌オタク気味)。また、バンクーバー在住日本人向けのフリーペーパーに興味を持ちます。

【アメリカ逃避行時代】
Rolling Stone(US)
Maximum Rock'n'Roll(US)
Time(US)
・US Front Line(フリーペーパー)
週刊Nuts(フリーペーパー)

同居人がジャーナリズム専攻の学生(+音楽好き)で、Rolling Stone(メジャーな音楽雑誌)、Maximum Rock'n'Roll(コアなパンク雑誌)、Time、Peopleなどのバックナンバーが部屋に山ほどあったため、狂ったようにそれらを読破。また、NY在住日本人向けフリーペーパーの種類の多さに感動し、かなり必死にピックアップしてました。

【帰国~現職】
Web Designing(国内)
+81(国内)

帰国後、実家に置きっぱなしにしていた寺山、太宰、井伏、芥川を10年ぶりに再読、日本文学の良さを再認識します。しかしすぐに就職し、Webディレクター兼コピーライターになります。仕事柄、実用書をたくさん読んで→消化→読んで→消化なため、ホントに読みたい日本文学がなかなか読めず、フラストレーション溜まり気味な近頃。

こんなところでしょうか。 「読書遍歴」=「人生遍歴」となってしまいました(苦笑)。

「雑誌が人格形成に影響」というより、「活字中毒的嗜好と状況が選んだ雑誌達」という感じが、なきにしもあらず。

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