父親嫌い
私が高校一年の時、現国の先生(女性)が授業中、唐突に、
「女子に聞くけど、あんたたち今、父親のこと嫌いでしょ?」
と、聞きました。
女子が口々に、
「超キライ!」
「臭いし、うざいし、うるさいし!」
「洗濯物、一緒に洗ってほしくないよね」
「オヤジより先に風呂に入るようにしてる。後なんて、絶対にイヤ」
と、騒ぎ出したら、先生が、
「それはあんたたちが健全に成長している証拠よ。小さい頃、父親が大好きだった女子も、年頃になると、急に父親が嫌いになる。それはね、父親以外の男性と出会って恋をして子孫を残すよう、遺伝子に“年頃になったら父親を嫌いになれ”という指示が組み込まれているからよ」
と言うのです。
さっきまで騒いでいた女子が、「へぇ~」と頷いていると、
「今は父親が嫌いでも、20歳を超えた頃には、父親に感謝し、以前より敬意を込めて好きになるから。あんたたち、あんまり父親をいじめちゃダメよ」
と言いました。
娘が生まれた時、この話をパートナーにして、「この子が思春期になったら、あなたは嫌われてしまうかもしれないけど、そのうちまた好かれるから、ドンと構えていればいいのよ」と伝えました。
現在3歳の娘。最近、彼女はうちのパートナーに、「お父さん、臭い!大キライ」と言うのです。
パートナーは私に、「僕のことをキライになるのは、思春期だって言ったじゃん。まだ3歳なのに、僕、もう嫌われてるよ?最近、『おやすみ』のチューも『行ってきます』のチューもしてくれないよ?頭の匂いを消すために、念入りにシャンプーしているのに、匂ってないはずなのに臭いって言われるんだよ・・」と、超凹んでいます。
私から見たら、娘は本気で父親のことを嫌っているようには見えません。娘は、「キライ!」と言った時のうちのパートナーの凹みようが楽しくて言っているだけのように思えます。
娘には、「お父さんはあなたのことが大好きよ。お父さんを悲しませるようなことを言ってはダメ」と注意しているのですが、彼女はお構いなしです。
困ったもんだ。
そうとはいえ、出掛ける時は二人仲良く手を繋ぎ、とても楽しそうです。娘は本当は父親が大好きなのです。
娘のあまのじゃくが早く治りますように。
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