Seeking Asian Female (2012)

Seeking Asian Female (2012)

友人の旦那さん(鬼の映画好き)に「better than I was expecting!」と薦められたドキュメンタリーフィルム、「Seeking Asian Female」を観ました。

内容は、アジア人女性の容姿がエキゾチックで大好きという年配の白人アメリカ人男性が、インターネットのアジア系専門デートサイトから中国人女性を見つけ、数度のメールのやり取りをした後に中国を訪れて彼女にプロポーズし、中国人女性がフィアンセビザでアメリカに入国して結婚する様子を記録したドキュメンタリーです。

こうして概要を書いただけで「いかにも中国人女性の永住権狙いの結婚」という印象を受けるのですが、アメリカにやって来た中国人女性「サンディ」は、とても素朴で正直で、彼女にとってこの結婚は、永住権狙いの偽装結婚ではなく、本当に旦那が好きで、好きな人と一緒になるためにアメリカにやって来ます。

しかし、旦那となる年配の白人アメリカ人男性「スティーブン」が原因で、サンディは様々な困難と直面することになります。

まず、スティーブンは中国語が全く分からないため、最初、二人はまともにコミュニケーションを取ることができません。また、スティーブンは低所得労働者で、今日の食料を買うお金にも困っているような経済状況にサンディは頭を悩まることになります。そして一番の問題は、スティーブンの女性問題。スティーブンは元カノと(友人)関係を切ることができず、元カノの写真やメールを見つける度にサンディは嫉妬で怒り出し、何度も酷い口喧嘩をするのです。

このドキュメンタリーのディレクター(兼、カメラマン)、デビー・ラムは、アメリカ生まれの中国人女性です。英語はもちろん、中国語も話すこともできます。そのため、スティーブンは、ドキュメンタリーを撮影中のデビーに何度も、自分の言いたいことをサンディに中国語に通訳することを頼んだり、はたまた、喧嘩の仲裁をお願いしたりします。サンディはサンディで、スティーブンのダメダメなところを見つけるたび、中国語で「もうやっていけない」「永住権が取れたらすぐ働き出して、お金が出来たら、こんな家すぐ出てやる」と中国語で呟き、それが理解できるデビーは、それをスティーブンに伝えるべきかどうか頭を悩ませます。

スティーブンは、兄弟にお金を借りてなんとかサンディと結婚式を挙げます。これでひとまず撮影が終わったと思いきや、数か月後、サンディが泣きながらデビーに電話をし、その直後、知人の家に家出してしまいます。サンディは、夢と希望をもってアメリカに来たのに、現実は困難ばかり。他人に「永住権目的の結婚だよね?」と言われるのにも疲れてしまっていました。しかし、サンディはそんな状況を受け入れ、それでもスティーブンが好きで彼と一緒に居たいと気付き、スティーブンの元に戻ります。そして、スティーブンはサンディのために自分を変える努力をし始めます。最後は、二人がお互いを一番に考え、ちょっとスパイスの効いた冗談を言い合って笑えるような夫婦になったところでドキュメンタリーは終わります。

うちのパートナーは、(本人がハリウッド映画製作に関わっているためか、インディー映画はビジュアルが地味なのがつまらないと思っているからなのか知りませんが)インディ映画があまり好きではありません。私がリビングでこの映画を観ると言ったら、「インディーのドキュメンタリーだから」と自分はコンピュータに向かってしまいました。しかし、パートナーのコンピュータもリビングにあるため、否応なしに映画の音声を背中で聞いていたらしく、ドキュメンタリーが進むにつれ、サンディの率直な物言いに吹き出したり、「お金が出来たら、こんな家すぐ出てやる」のところでは「えっ、マジ?」と思わず画面を観てしまったりして、どんどんドキュメンタリーに惹き込まれ、結局、最後までしっかり観てしまっていました。


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