執刀医による術後診察


次女を生んで6週間経った今日、帝王切開の執刀医による術後診察を受けました。

執刀医とは手術直前の“緊急自己紹介”の際に顔を合わせているはずですが、そのすぐ後に私は麻酔で眠らされ、術後は痛みや何やら大変なことばかりですっかり記憶が抜け落ちてしまい、今日、診察室でドクターの顔を見ても全く思い出すことができませんでした。顔を合わせてすぐ「Nice to meet you」と言ってしまい、すぐさま「会ってますよね?でも思い出せないんです。ごめんなさい」と謝ったら、笑って「みんなそうだから、大丈夫!」と言われました。

まずは執刀医から、娘が生まれた2月20日の夜に何があったか説明を受けました。

・あの夜は、私以外誰も出産待ちの妊婦がおらず、当直のドクター全員でバックルームでモニターを見ていた。そしたら、赤ちゃんの心音が急激に下がって戻らなくなった。通常は突然下がってもすぐ元の数値に戻るのに、待ってても全然戻らなかった。そのままだと赤ちゃんの脳に酸素が行かなくなり、脳機能障害を起こす恐れがあったので、緊急帝王切開を行った。

・赤ちゃんの心音が急激に下がった原因は、多分、へその緒が赤ちゃんの体と子宮の内壁の間に挟まって潰れ、酸素の流れが遮断されてしまったから。普通は挟まっても問題なく酸素は通るが、私の場合は妊娠高血圧症が原因で胎盤がしっかりできておらず、酸素を運ぶ力が弱かったために流れが遮断されてしまったと思われる。

・赤ちゃんが生まれたのは、私が麻酔で眠ってから38秒後だった。とにかく急いで赤ちゃんを取り出すことに集中して手術を行った。赤ちゃんは、生まれた時は産声をあげなかった。そのため、ドクターは気道の中を吸引して呼吸ができるようにし、刺激を与えたらやっと泣き始めた。

・出産自体はとても順調だったが、出産後の処置が大変だった。私の子宮は赤ちゃんを取り出しても縮まず、まるで伸び切った風船のように大きいままだった。そのままでは腹部を閉じることができないので、薬剤を使って子宮を小さくしようとした。しかし、それでも腹部を閉じられるほど小さくならなかったので、最終的に、手術用の溶ける糸で子宮を縛って小さくし、お腹を閉じた。出産後の処置に手間がかかり、手術は全体で2時間もかかってしまった。

・今後、妊娠・出産する際は、帝王切開を勧める。なぜなら、出産途中に今回の帝王切開の子宮の縫い目が裂ける恐れがあるから。また出産後、今回と同じこと(子宮が伸び切ってお腹に収まらない)が起きる可能性が高いから、担当医に今回の帝王切開の手術報告書をBC Women's Hospitalから取り寄せて読んでおくよう伝えること。

・あの夜、病院内で出産を控えていたのは私一人だけだったので、当直のドクター全員で私のモニターを見ていた。そのおかげで、赤ちゃんの異変にすぐ気が付き、その場にいた全員が手術室に入ることができた。最悪な状況に、最善の対処ができた。

ということでした。

帝王切開の翌日、手術室に入ったドクターの一人が私の病室に来て、手術の様子を説明してくれたのですが、今回の検診でそれよりもっと詳しい話を聞くことができました。また、執刀医がコンピュータで手術報告書を見ながら説明していたので、ダメ元で「その報告書、もらうことできますか?」と聞いたら、「全然OK、はいどうぞ」と印刷して渡してくれました。

その後、スペキュラム(パップテストで使うあの痛い器具)とフラッシュライトを使って子宮の中を診察し、腹部の縫い目の確認と周辺の触診をしました。まだ縫い目の少し上のあたりが痛いのですが、見たところ順調に回復しているとのことでした。そして、完全に痛みが取れるまで半年から一年はみた方がいいと言われました。また、真ん中よりも両端が痛いのでそれについて聞いてみたら、両端は糸の結び目があるから他の部分より痛いのだと言われました。

もし今後、突然痛みがぶり返したり、一年以上経ってもまだ痛むようならいつでも診察を受けに来て、と言われました。

日常生活は送れていますが、まだまだお腹が痛いです。帝王切開の術後が、こんなに辛いとは思わなかった。早く、以前のようなPain Freeな体に戻りますように。

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