職歴を積むことの難しさ

今日、社内のWebプログラマーの子と話をする機会があったため、何気に今回の私の採用状況について(何人くらい応募してきたのか&その中で何人面接したのか)聞いてみました。彼女によると、私が面接時に社長から聞いてたとおり、そこそこたくさん応募があり、その中から数人面接をしていたとのことでした。その中で私が採用されたのは、私の履歴書と経歴が一番しっかりしていたからでは?というのが彼女の分析でした。

働き始めて10年、その中で転職6回(一番長く勤めたのは前職(Webデザイナー)の4年)。私のような技術系で職を探そうとすると、まずどの会社も“その技術を使った職歴(経歴)”を聞いてきます。その点私は職歴を持っているので、履歴書審査の時点ではいい評価をされることが多いです。今回の就職も、今までの経歴を評価されての採用でした。

(余談ですが、転職が多いことを日本では「1ヶ所で長く続かないんですね」とネガティブに捉えらることが多いのですが、こっちでは「いろいろ経験してますね」とポジティブに評価されるのでちょっと嬉しいです)

思い起こすと6年前、私が普通の事務職をしていた時、事務では将来的に仕事を続けていくのが厳しくなると思い、一念発起してWebデザイナーに転職しようとした時、就職の面接でどの会社も「(趣味ではなく)Web技術の“プロ”としての職歴」を聞いてきて困った覚えがあります。就職させてくれなきゃ職歴の積みようがないのに、その最初の一歩を踏み出すチャンスを与えられないもどかしさにすごくイライラしました。(しかし、当時無経験の私を前職の会社が採用してくれ、私はWebデザイナーとしての第一歩を踏み出せました。それには今でもすごく感謝しています)。

今日、社内のレセプション&カスタマーサービスの女の子が、「私、学校ではCADの勉強をしていました。だから本当はCADを使った仕事がしたいんです。でもどこの会社もCADの職歴を聞いてくるから、結局就職できないんです。最初の職歴を作るチャンスが欲しいのに・・・」という話をしていました。

カナダは日本以上に新卒の就職が難しい国。だから皆、学生の時点で経歴を作るため、Co-op(職業経験)などを利用して、学校に行きながら同時に企業で働こうとします(今の私もCo-opで働いています)。そうして作った職歴を就職活動に生かし、なんとか自分の専門分野で就職しようと必死なのです。そういえば誰かが、「卒業後最初の就職は慎重にね。カナダでは、最初に自分のやりたい分野以外で就職してしまうと、その後進路変更が難しくなるから」と言っていました。転職時の就職活動で会社が前職の経験を重視するため、どうしても同じ分野でしか就職できなくなってしまうからなんだそうです。

自分の希望の職歴を積むのって難しいんだな、と思いました。

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