昨日に引き続き、今日は「説明することの難しさ(文章編)」について。
文章で説明する際、それを読む相手が目の前にいるわけではないため、相手の理解度を測りながら補足できる「会話での説明」と状況は全く変わります。
読んだだけで理解できるような文章を書くには、
- 文章を読む人(ターゲット)を想定する
- 文章を書く前に、どのような順番で話を進めれば分かりやすいか考え、レイアウトをしっかり作っておく
- ひとつひとつの文章をなるべく短くする
- 大切なことは、最低2回は表現を変えて繰り返す
などが基本事項となります。
前々からすごく気になっているのが、本屋で売っている「解説系の新書」の説明文がとても解り辛いこと!それらの本の著者は、本の内容の分野においてプロフェッショナルかもしれないけど、文章書きとしてはプロフェッショナルでないため、「自分の解っている頭のまま」文章を書いてしまっているのが多く、「導入部分を何かの例えにすればいいのに」とか「一文が長過ぎる」など、読んでて思わず「推敲ポイント」をいっぱい見つけてしまって困ります。
しかしその中で、驚くほど“解りやすい”新書を発見!内容もとても面白いのでここで紹介!
記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)
この本は、脳の海馬部分の記憶の仕組みについて解説した本です。とても難しい内容であるはずなのに、驚くほど解りやすいです。本全体の構成、ひとつひとつの文章、どれをとっても完璧。スゴイ。
著者のあとがきに、「極度に込み入った複雑な脳科学の世界を詳解することは端から無理なことで、「わかりやすさ」か「正確さ」のどちらかを犠牲にしなければいけませんでした。したがってこの本では、せめて大局的な骨格だけでも皆さんに理解していただきたいと割り切り、思い切って表現を端折ったり曖昧な説明をしました」とあります。
「わかりやすさのために表現を端折ったり曖昧にした」とはかなり大胆ですが、彼はこの本を書いている時点で明確に読者が見えており、読者の理解を第一にするためこのような手段を選んだというのは、文章を書く者としてある意味正しい姿勢です。
「人に理解させる文章とは何か?」を知るために、この本を読んでみるのもいいかも!
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