場面緘黙症もしくは不安障害
4ヶ月前のエントリの続きです。
BC Centre for AbilityのSupported Child Development Programプログラムが始まってからは、2、3ヶ月に一度、BC Centre for Abilityのカウンセラーとデイケアの主任教師と私で三者面談を行い、娘の成長と症状を確認し、今後どのようにサポートしていくかについて話し合っています。
最初のインタビューからすでに4ヶ月経ちましたが、娘が成長したのか、それとも周りのサポートが功を奏したのか、娘が少しずつ喋るようになりました。友達や先生にはもちろんのこと、調子がいい時は知らない人とも「Hello」「こんにちは」「バイバーイ」程度の簡単なやり取りができるようになりました。
それは多分、冬休みに私のパートナーの両親(娘にとって父方の祖父母、爺爺奶奶)がシンガポールからやって来て、2週間一緒に過ごしたことが娘の大きな変化につながったのではないかと思います。爺爺奶奶は、物理的な距離から数年に一度しか孫に会えないため、バンクーバー滞在中は娘と手をつないだり膝の上に乗せたりと、常にスキンシップを取っていました。その上、彼らは思っていた以上に娘が中国語を話せることに大喜びし、家にいる間はずっと娘と中国語で会話をしたり、中国語の童謡を教えたりしていました。溢れんばかりの愛情を注がれ、それが娘の心に響いたのか、爺爺奶奶がシンガポールに帰った後も、以前より他人と交流しようとする姿勢を見せるようになりました。
その娘の「変化」と「成長」を踏まえた上、今後の課題は、
・娘は、予期しないことが突然起こるとストレスを感じるので、一日の予定など事前に分かっていることは前もって伝えるようにする(例:「今日はプリスクールとデイケアに行くよ」「親友の○○ちゃんは、今日、歯医者で休みだよ」「長い針が9になったら、家を出るからね」など)
・娘は、ほかの子供より「~したい」「~したくない」という明確な行動意志を持っていて、自分の行動を自分で決める自由が与えられず、人に従わないといけないという状況になるとフラストレーションを感じるので、なるべく本人に自分の行動を決めさせるようにする。(例:その日に着る服を自分で選ばせる、など)
・大好きなお母さん(私)と、もっと遊びたいと思っているので、忙しくても一日に一度は娘と集中して遊ぶ時間を作る
・娘にあまり質問しない。質問に答えることを強要しない。デイケアやプリスクールの後、娘に「今日、楽しかった?何をして遊んだの?」と聞かない。代わりに、私がその日に起こったことを娘に報告し(「今日はプレゼンがあって、緊張したけどなんとかこなしたよ」「イディオム使って表現をカラフルに、と注意されるけど、日本語でも難しいことを英語でするのは大変だってば!」など)、学校で何をしたか何があったか自主的に報告する“姿勢”を、母親が見本として見せる。
・いろいろな状況で心が揺るがないよう、自分を強く持つことを教える。人前で失敗しても大丈夫、ということを教える。友達から嫌なことをされたら「No」と言える勇気を持つよう励ます
・悲しい時、自分の内面だけで気持ちを処理(internalize own feeling)としないよう教える。不満を悲しみに精進させ、感情が爆発してしまう前に、不満を人に“建設的な方法(positive ways)”で伝えることや、心が悲しみで一杯になる前に自分で気を紛らわせることを教える
です。最後の2つは概念的なことなので対応が難しいため、参考になる書籍をいくつか紹介してもらいました。本屋に売っていなかったり図書館に置いていない本は、BC Children's HospitalのOutpatient BuildingにあるFamily Libraryで借りるか、児童心理学専門の本屋、ODIN BOOKSで購入することができるとアドバイスされました。
あと、今年の9月から娘のKindergartenが始まります。バンクーバー教育委員会(VSB)に娘のサポートを依頼する場合は、ファミリードクター、もしくはスピーチセラピストなどの医療専門家(Medical specialist)から娘の症状についての正式な診断書が必要となります。
そこでまず、以前お世話になったスピーチセラピストに連絡を取り、アセスメントの予約を取ろうとしました。しかし、娘はすでに治療(セラピー)を終了しているのでアセスメントのするわけにはいかない、アセスメントが必要ならドクターから紹介状を取ってほしいと言われました。
以前、その方法で最初のアポイントメントを取った際は半年かかっており、今回はそこまで待つことができません。スピーチセラピストは諦め、ファミリードクターにこれまでの経過を説明し、娘に場面緘黙症、もしくは不安障害があるかアセスメントをしてほしい、と依頼しました。しかし、ファミリードクターはその分野は専門外ということだったので、発達専門の小児科医(developmental pediatrician)へ娘を紹介してもらいました。
すぐに小児科医とアポイントメントを取り、娘を診てもらったところ、娘はおそらく場面緘黙症ではなく、複雑な不安障害を持っているのではないか、とのことでした。少し複雑なケースなので、より慎重に詳しく調べるために、BC Children's Hospitalの精神科医を紹介してもらいました。BC Children's Hospitalの精神科医によるアセスメントは4月に行われることになりました。
あと、バンクーバー教育委員会(VSB)にK-Transition(Kindergartenのクラス内で受けられる特別なサポート)を申し込みました。今後もカウンセラー、ファミリードクターと連絡を取り合って、入学準備を進めていくつもりです。
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