沈黙のプレイデート

昨日、我が家のすぐ近所に住んでいる娘の友達のお母さんに、

「もしあなたさえ大丈夫なら、明日、キンダーが終わった後、夕方5時までうちの娘をあなたの家で預かってもらえない？急にやらなくてはいけない仕事が入ってしまって・・」

と申し訳なさそうに聞かれました。その友達はうちの娘とよく一緒に遊んでいる子なので、快くOKしたら、娘も友達も大喜び！「キンダーが終わったらプレイデートだ！」と大はしゃぎです。

そして今日。私と娘の友達のお母さんと子供たち4人で家の前まで来て、迎えに来る時間を確認してからお母さんと別れました。娘は友達に、「Come on 〇〇（友達の名前）, this way!」と言って、二人で入り口まで走っていきました。

キンダーが始まって約1ヶ月。娘は、他の子供たちのように英語が喋れないのでクラスではとても口数が少ないようです。娘に「英語はどのくらい分かる？」聞くと、「みんなの言っていることは全部分かってる」と答えるのですが、自分から英語で喋りかけることはまだ難しいようです。いつもは追っかけっこなど、あまり会話をする必要のない遊びを好んでしてるけど、今日は屋内だからちゃんとコミュニケーションを取らないと遊ぶことができません。だから今日のプレイデートは大丈夫だろうか、ちゃんと遊べるだろうか、と心配でした。

家に着いてからすぐに二人は娘の部屋に行き、娘が友達に自分のぬいぐるみ達を紹介したり、二人でお絵描きをしたりしていました。二人ともよく喋り、特に娘は友達の問いかけに一生懸命英語で返事をして頑張っているようでした。「おお、意外といっぱい喋ってる！大丈夫かも？」と思い、私は安心して自分の仕事に戻りました。

しかし、それから1時間ほど経った頃、気が付くとなんだか二人がいる部屋がとても静かです。そっと部屋を様子を覗いてみたら、娘と友達は隣同士に座っているけど会話はせず、それぞれが別々のおもちゃで遊ぶ、パラレルプレイ（並行遊び）をしていました。友達は居心地が悪そうにしていて、その表情はどこか悲し気です。

これはまずいと思い、私はその場を和ませようと二人に話し掛けました。しかし、二人とも返事をしてくれません。その時点で約束の時間の夕方5時を過ぎていて、「 〇〇（友達の名前）ちゃんのお母さん、早く迎えに来て！」と切に思っていたところに家のインターホンが鳴りました。「〇〇（友達の名前）ちゃん、お母さんが迎えに来たよ」と言った瞬間の友達の顔と言ったら。笑顔と安堵が混ざった、とても複雑な表情。彼女は相当長い間、家に帰りたかったようでした。

友達が帰った後、娘に「何で途中から何も喋らなくなっちゃったの？」と聞いたら、「だって、英語喋るの疲れちゃったから」と答えました。

やはり、言葉の壁が原因でした。娘は「また〇〇（友達の名前）ちゃんとプレイデートしたい」と言うけど、向こうが来てくれるかどうか。彼女がうちの娘と遊びたくない、と言い出していないか心配です。（その点については、明日、向うのお母さんにちゃんと話をしなければ）

まだキンダーが始まって一ヶ月。もちろん、こんなに短期で英語が喋れるようになるだろうとは思ってはいません。ただ、娘は言葉の壁だけではなく性格的な問題もあり、なおさら英語で会話をするのが難しいようなのです。

まだまだ乗り越えなければいけない壁がいっぱいだ、と痛感しました。