20世紀 100の恋愛
私の手元に、22年前に発刊された一冊の古雑誌があります。
それは、文藝春秋社のCREA、1992年12月号です。
その号の特集記事、「20世紀 100の恋愛」について。
この特集記事は、複数のライターが1901年から1992年まで毎年ひとつずつの恋愛を取り上げて解説しています。
1901年 グスタフ・マーラー&アルマ・マーラー
1902年 上村松園&鈴木松年
1903年 ジョージ・D・モルガン&加藤ユキ
1904年 田山花袋&岡田美知代
1905年 フランクリン・ルーズベルト&エレノア・ルーズベルト
1906年 南方熊楠&田村松枝
1907年 竹久夢二&岸たまき
1907年 アポリ・ネール&マリー・ローランサン
1908年 幸徳秋水&菅野すが
1909年 平塚らいてう&森田草平
1910年 三浦環&三浦政太郎
1911年 野口英世&メリー・ダージス
1912年 北原白秋&松下俊子
1912年 与謝野鉄幹&与謝野晶子
1913年 岡本一平&岡本かの子
1914年 宮沢賢治&初恋の人
1915年 ウィリアム・ハースト&マリオン・デービス
1916年 神近市子&大杉栄(伊藤野枝)
1917年 アメデオ・モディリアーニ&ジャンヌ・エビュテルヌ
1918年 チャールズ・チャップリン&ミルドレッド・ハリス
1919年 ココ・シャネル&アーサー・カペル
1920年 スコット・フィッツジェラルド&ゼルダ・フィッツジェラルド
1921年 柳原白蓮&宮崎龍介
1922年 フリーダ・カーロ&ディエゴ・リベラ
1923年 有島武郎&波多野秋子
1924年 中原中也&長谷川泰子
1925年 マハトマ・ガンジー&マドリン・スレイド
1926年 アガサ・クリスティ&アーチボルド・クリスティ
1927年 蒋介石&宋美齢
1928年 藤原義江&宮下あき
1929年 サルヴァドール・ダリ&ガラ・エリュアール
1929年 ジャン・ポール・サルトル&シモーヌ・ド・ボーヴォワール
1930年 佐藤春夫&谷崎千代子(谷崎潤一郎)
1931年 アナイス・ニン&ヘンリー・ミラー
1932年 リー・ミラー&マン・レイ
1933年 高村光太郎&高村智恵子
1934年 ボニー・パーカー&クライド・バロウ
1935年 ヴィヴィアン・リー&ローレンス・オリビエ
1936年 阿部定&石田吉蔵
1936年 坂口安吾&矢田津世子
1936年 エドワード8世&シンプソン夫人
1937年 ロバート・キャパ&ゲルダ・タロー
1938年 毛沢東&江青
1938年 岡田嘉子&杉本良吉
1939年 宮澤喜一&伊地知庸子
1940年 マックス・エルンスト&レオノーラ・カリントン
1941年 リヒアルト・ゾルゲ&石井花子
1942年 キャサリン・ヘップバーン&スペンサー・トレイシー
1943年 パブロ・ピカソ&フランソワーズ・ジロー
1944年 アンネ・フランク&ペーター・ヴァンダーン
1945年 アドルフ・ヒットラー&エヴァ・ブラウン
1946年 フワン・ペロン&エビータ・ペロン
1947年 ベンジャミン・シーゲル&バージニア・ヒル
1948年 金子光晴&大川内令子
1948年 太宰治&山崎富栄
1949年 エディット・ピアフ&マルセル・セルダン
1950年 イングリッド・バーグマン&ロベルト・ロッセリーニ
1951年 ジョン・F・ケネディ&ジャクリーン・ケネディ
1952年 ウィリアム・バロウズ&ジョアン・ヴォルマー
1953年 ブリジット・バルドー&ロジェ・バディム
1954年 一条尊昭門跡尼&N君
1955年 グレース・ケリー&レーニエ大公
1956年 マリリン・モンロー&アーサー・ミラー
1957年 愛新覚羅慧生&大久保武道
1958年 明仁親王(今上天皇)&正田美智子
1959年 高倉健&江利チエミ
1960年 寺山修司&九条映子
1961年 ジャン・リュック・ゴダール&アンナ・カリーナ
1962年 美空ひばり&小林旭
1963年 大島みち子&河野実
1964年 エリザベス・テーラー&リチャード・バートン
1965年 アンディ・ウォーホル&イーディ
1966年 オノ・ヨーコ&ジョン・レノン
1967年 エルヴィス・プレスリー&プリシラ・ボーリュー
1968年 ジェーン・バーキン&セルジュ・ゲンズブール
1969年 貴ノ花&藤田憲子
1970年 タッド若松&鰐淵晴子
1971年 アンドリュー・ワイエス&ヘルガ・テストーフ
1971年 荒木経惟&陽子
1972年 ウッディ・アレン&ダイアン・キートン
1973年 内田裕也&樹木希林
1974年 植村直己&野崎公子
1975年 ナイジェル・マンセル&ロザンヌ・マンセル
1976年 城みちる&伊藤咲子
1977年 ヘルムート・バーガー&ルキノ・ヴィスコンティ
1978年 シド・ヴィシャス&ナンシー・スパンゲン
1979年 関根恵子&河村季里
1980年 山口百恵&三浦友和
1981年 伊藤素子&南敏之
1982年 桑田佳祐&原由子
1983年 沖雅也&日景忠男
1984年 テイタム・オニール&ジョン・マッケンロー
1985年 マドンナ&ショーン・ペン
1986年 鈴木いづみ&阿部薫
1987年 ブルース・ウィリス&デミ・ムーア
1988年 谷川俊太郎&佐野洋子
1989年 安宰亨&焦志敏
1990年 ドナルド・トランプ&イヴァナ・トランプ
1991年 スティーヴン・ホーキング&エレーヌ・メイソン
1992年 内田春菊&?
1992年 宮沢りえ&貴花田
ここで紹介されている恋愛は、純粋な恋、実らなかった恋、人もうらやむような恋、独りよがりな恋、歪んだ恋、破滅の恋、など様々です。
「人は、子孫を残すために、「恋に落ちる」という衝動が遺伝子に組み込まれており、その衝動のために、昇華もすれば愚かにもなる」
と言いますが、まさにその「衝動」に突き動かされ、人生をいい方向に、または悪い方向に変えてしまった恋愛がたくさん紹介されています。
この本を買った1992年当時、私はまだ、本当の意味で「恋愛とは何か」を知らない、初心(うぶ)な高校生でした。雑誌の中で紹介されている恋愛話を読み、「私もいつか、誰かと出会い、こんな情熱的な恋愛をするのだろうか」と思っていました。
それから10数年後、今のパートナーと出会い、「情熱」という言葉とはほど遠い、穏やかで生ぬるい恋愛をし、3年前には可愛い娘にも恵まれました。
私には、情熱的な恋愛をする器がなかったのかもしれません。
でも、今が幸せだから、これでよかったのだと思っています。
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